JALグローバルクラブ(JGC)ステイタスの取得レポート

JALグローバルクラブ(JGC)とは

JALグローバルクラブは、JALグループ便を多く使っている人が特別のサービスを受ける事が出来る会員組織で、JALグループの飛行機を乗ると付与されるマイルを基準にしてたまるFLY ON ポイントや飛行機の搭乗回数により、5段階のステイタスがあり、そのステイタスに応じた特典を得ることが出来ます。例えば専用エントランスの利用、ラウンジサービス、優先搭乗、荷物優先受取、前方の席予約などのほか様々な特典があります。

※追記:この記事は2022年の体験レポートとなります。JGCプログラムは2024年1月から変更されることがJALから発表されております。詳しくはJALグローバルクラブを参照して下さい。

JALマイレージバンク(JMB)

JALではJALグループの飛行機に乗るとマイルがたまるJALマイレージバンク(以下JMB)という会員組織があります。JMB会員には特に飛行機に多く乗ってマイルを取得すると会員のステイタスが上がって行くFLY ON プログラムというシステムがあり、ノーマル → クリスタル → サファイア → ダイアモンドとステータスが上がるにつれていろいろな特典が受けられるようになります。しかし、このステイタスは1月~12月に飛行機に乗った回数や、マイルとは別に付与される「FLY ON ポイント(フライオンポイント、以下FOP)」の数で決まり、サービスを受けられる期間はステータス取得した翌々年の3月末までで失効してしまいます。つまりJMBステイタスを取得できても、毎年多く飛行機に乗らないとJMBステイタスは維持できない仕組みになります。

JMBステイタスと付与条件
・ノーマル
・JMBクリスタル →年間30,000FOP(うちJALグループ便15,000FOP)以上または30回以上の搭乗(うちJALグループ便15回)以上かつ10,000FOP以上
・JMBサファイア →年間50,000FOP(うちJALグループ便25,000FOP)以上または50回以上の搭乗(うちJALグループ便25回)以上かつ15000FOP以上
・JMBダイアモンド →年間100,000FOP(うちJALグループ便50,000FOP)以上または120回以上の搭乗(うちJALグループ便60回)以上かつ35000FFOP以上

JALグローバルクラブ(JGC)

JALにはJMB会員がサファイア以上のステイタスを取得し、なおかつJALのクレジットカードのCLUB-A以上のカードを所有すると入会できるJALグローバルクラブ(以下JGC)という会員組織もあり、JGCに入会すると、JALのクレジットカードを保有し続けている間は、JALグループ便の飛行機に乗らない年があっても一定のサービスを受け続ける事が出来るようになります。JGC会員になったあとも、JMBと同じようなステイタスがあり、JGCワンワールドサファイア → JGCクリスタル → JGCサファイア → JGCプレミア → JGCダイアモンドというステイタスになります。ワンワールドとはJALが加盟している世界の航空会社が組織しているもので、ワンワールドのステイタスも別に存在し、ルビー → サファイア → エメラルドのワンワールドエリートステータスというものがあります。JGC会員になると、最低でもJGCワンワールドサファイアのステイタスが与えられ、JALのJGC特典やワンワールドに加盟している飛行機に乗ることで、ワンワールドサファイアのサービスも受けることが出来るようになるのです。

つまり、JGCのステータスを1度取得すれば、JALの指定クレジットカードを持っている限り、例え一度も飛行機に乗らない年があってもこの特典を受ける権利が消滅することなく、JALグループ便やワンワールドの飛行機を利用する時には専用のエントランスや保安検査でスムーズにチェックインができ、制限エリア内にあるラウンジで飛行機に乗る前にゆっくりコーヒーを飲みながらリラックスできるなど、「旅」に余裕と優越感のようなものを与えてくれます。

JGCステータスと付与条件
・JGCワンワールドサファイア(ワンワールドサファイアのステイタス※JMBノーマル)
・JGCクリスタル(ワンワールドサファイアのステイタス)条件はJMBに準ずる
・JGCサファイア(ワンワールドサファイアのステイタス)条件はJMBに準ずる
・JGCプレミア(ワンワールドエメラルドのステイタス)年間80,000FOP(うちJALグループ便40,000FOP)以上または80回以上の搭乗(うちJALグループ便40回)以上かつ25000FOP以上 ※JMBにはないJGCのみのステータス)
・JGCダイアモンド(ワンワールドサファイアのステイタス)条件はJMBに準ずる

JGC入会の条件

日本に在住の場合

  • 1〜12月の12カ月間にJALグループ便ならびにワンワールド アライアンス加盟航空会社便にJMBのマイル積算対象運賃でご搭乗いただくと積算されるFOPが50,000 ポイント(うちJALグループ便25,000ポイント)以上、または50回(うちJALグループ便25回)以上かつ15,000ポイント以上のご搭乗実績があること。
  • JALグローバルクラブ JALカードのCLUB-Aカード、CLUB-Aゴールドカード、JALダイナースカード、プラチナのいずれかをお持ちいただけること。
  • JALグローバルクラブ規約を遵守いただけること。

となっています。(JALのWebサイト2023年3月現在)

JALカードの取得

ここからは、私が実際にJGCに入会してみたレポートをお届けします。JGCに入会する条件のうち、まず初めに達成しておくことをお勧めするものは、JALのCLUB-Aカード以上のクレジットカードを取得する事です。何故かというとJALカードはクレジットカードなので審査があります。もし審査に落ちてしまうと、いくら他の条件をクリアしたとしてもJGCには入会出来ないことになるからです。1年間に50,000FOPを取得するのも、飛行機に50回以上登場するのも、出張が多いサラリーマンなら別ですが、普通の人ならそれなりのお金と時間がかかりますので、FOPや50回以上の搭乗をクリアした後にクレジットカードの審査に通らなかった!ではもともこもないからです。

私はJALカードは持っていなかったので、まずはJALカードを申し込みました。JALカードの種類は多く、発行会社、ブランドの他に、ランクも4段階ほどありますので数十種類に及びます。JGCの入会条件のJALカードは、CLUB-Aカード以上となっていますので、JALの普通カードのランクのものは除外されます。結果的に私が選択したカードは、JAL・JCBプラチナカードです。このカードはJCBが発行しており、JCBのプラチナのサービスが受けられるのが特徴で、世界中の空港の多数のラウンジが使えるプライオリティパスや、2人で1人分の料金で食べられるレストラン特典、旅行の相談や手配などを24時間行ってくれるコンシェルジュなどが使えるうえ、旅行傷害保険が充実しているのも特徴で、プラチナカードとしての年会費も34,100円と他のプラチナカードと比較してリーズナブルなほうです。めでたくカードの審査には通り、3週間ほどでカードが手元に届きましたが、それが2021年の暮れだったので、JGCを目指すのは翌年の2022年1月~12月までの1年間となりました。

50,000FOPか50回以上の搭乗か

JGCの会員条件であるJALカードの所持の部分はクリアしましたので、あとは50,000のFOPを獲得するか、またはJALの飛行機に50回以上搭乗するかという選択になります。FOPは、JALグループの飛行機に搭乗するとマイルとは別に取得できるポイントで、区間ごとに異なるポイントが設定されています。私は飛行機にはたまには乗りますが、航空会社の上級会員資格を得るほどではありませんでしたので、どちらを選択しようか考えているうちに時間が経ち、気が付くともう8月になってしまっていました。その時点では、5月に仕事で羽田と福岡を往復しただけで、搭乗回数は2回だけでした。ただ、FOPは福岡往復分のマイル1,700FOPとJALカードの初回搭乗5,000FOPが取得出来ていたので、そのFOPを合計すると6,700FOPほど溜まっていました。

FOP2倍キャンペーン

実は8月にJALのホームページを見ていたら、何と6月から国内線のFOP2倍キャンペーンをやっているではありませんか! そして、本来は7月末で終了予定だったものが、12月末日まで延長されている事がわかりました。これは搭乗回数ではなく、50,000FOPを取得することに自然に決まりました。そこで私は、このチャンスを生かして効率よくFOPが多く取得できる羽田~那覇便の往復を8日間で終わらせる計画を立てました。

まだ期間に余裕があったので、コストを抑えるために75日以前に予約すると値段が安くなるウルトラ先得というのを利用すると、1回の往復で取得できるFOPは、羽田~那覇のFOPが1,476FOPですので、往復で2,952FOP、2倍キャンペーンで5,904FOPとなります。私は既に6,700FOP取得出来ているので、後は43,300FOP以上取得すればよいことになり、計算上、羽田~那覇の往復を8回行えば47,232FOPで、既存のものを合わせると53,932FOPとなってJGCが達成出来ることになります。1日2回の羽田~那覇の往復はちょっと大変そうなので、1日1回の羽田~那覇を往復し、合計8日間(往復で計16回飛行機に乗る)で達成!ということに決まりました。

JGC取得スケジュール

8日間で達成の目標を立てましたが、もちろん他の仕事もありますので連続8日で達成する事は出来ません。そこで1週間に2日のペースで約4週間で達成する予定を組んで航空券を予約しました。羽田から那覇行きは平日の午後の便でウルトラ先得の値段が9,710円、帰りはその日の夜の便でウルトラ先得の値段が10,010円の往復19,720円で全て最安に近いものを予約出来ました。これを8往復しますので、合計157,760円となり、これが予定通り完了すれば5月に行った福岡の往復53,600円と合わせると、211,360円で、FOP単価は約3.9円になります。FOP単価がかろうじて3円台となり、とても安く達成できそうです!

JGCの取得作業開始

JGCの取得作業=飛行機に乗る、ということになります。1日目は11月中旬から実行しました。15時過ぎの那覇行きの便に搭乗しますが、念のため14時には羽田空港に着くようにしました。JALのウェブサイトで予約すれば。スマートフォンのアプリに搭乗する便のQRコードを表示することが出来るので、JMBカードやJALカードを取り出す必要がなく、スマホの画面を読み取り装置にかざすだけで保安検査や搭乗口を通過する事が可能です。飛行機の待ち時間はカードラウンジで過ごしました。羽田空港の第一ターミナル国内線は、保安検査後の制限エリア内に2つのカードラウンジがあり、どちらも広く過ごしやすいので助かりました。JGC達成後は、JALのサクララウンジが使えるのでもっと快適に過ごすことができるようになると思います。

那覇には18時頃に到着し、帰りの便は21時少し前の出発なので約3時間弱の時間がありました。1日目と2日目は、那覇空港の中で過ごしました。後の6日はゆいレールで那覇市のレストランで食事をしたり、歩いて空港近くの瀬長嶋ウミカジテラス(近くとはいえ歩いたらそれなりに遠かったです)に行ったり、結構楽しい時間を過ごすことが出来ました。那覇空港内のカードラウンジは初日に入ってみたのですが、ちょっと狭い感じで混んでいて落ち着きませんでしたので、初日だけで後は入りませんでした。羽田空港への到着は23時前後だったので、そのまま終電近い電車で家に帰るスケジュールを順調にこなして行きました。

JMBクリスタルの取得

那覇往復も4日目が終わって数日経った11月末にJMBのWebサイトを見ると、自分のステイタスが赤いカードのJMBクリスタルに変わっていました。FOPが30,000ポイント以上になったのでJMBクリスタルのステイタスに昇格したようです。JMBクリスタルになると、羽田空港の国内線サクララウンジが使えるクーポン(6回分)がもらえますので、JGC達成前にラウンジ体験が出来るようになります。クリスタルに変わって数日経つと、ご利用いただけるラウンジというメニューの中に、羽田空港のラウンジクーポンが表示されました。また、羽田空港以外の国内線のサクララウンジには、1,000マイルを払うことで入る事が出来るようになりましたので、那覇のサクララウンジも1回入ってみました。どちらのサクララウンジも、カードラウンジに比べてそれほど混んでいませんし、とても清潔感があって良かったです。

 

羽田空港サクララウンジ

ステイタスは自動的に適用され、JALアプリも赤い色のクリスタルのステイタス画面に変わるのでそれで代用できますが、物理カードを申し込むことで、JMBクリスタルのカードも手元に送ってもらくことが出来ます。私もせっかくですので物理カードを申し込みました。物理カードはJMBのWebサイトからご利用いただけるサービス → ステイタスカード発行申込に関するご案内から申し込みが可能となっていました。

JMBサファイアの取得

さて、那覇往復も数十分ぐらいの出発時間の遅れが数回あったぐらいで、大きな旅程変更もなく終盤を迎え、12月初旬に羽田~那覇8回往復の全てのミッションを終えてFOPもめでたく5万ポイントを超えました。あとはJMBサファイアのステータスが反映されるのを待つだけです。最終日から数日経つと、JMBのWebサイトのステータス表示がブルーのJMBサファイアに変わっていました。また物理カードが申し込める状態になっていましたのでJMBサファイアカードも申し込みました。

この段階でJMBクリスタルとJMBサファイアの2枚のステイタスカードを取得しましたが、2枚ともに有効期限は2023年3月となっていました。実際には今回のステイタスの有効期限は2024年3月末なので、おそらく2023年3月ぐらいには2024年3月末までの有効期限のステイタスカードを申し込みできるようになると思われます。

JGCへの入会申し込み

JMBサファイアの物理カード申し込みから数日してWebサイトを確認したら、JGCに申込ができる旨の案内が表示されていましたので、早速JGCの入会とJALカードの切替えを申し込みました。JALカードは現在持っているJAL・JCBプラチナカードをそのまま切替をしました。切替申込の途中で、国際線の座席希望(窓側か通路側かどちらでも良い)などの選択があり、窓側を選択しました。JGCへの切替えから1週間ぐらい経つとWebサイトがJGCのロゴ入りのサファイアのデザインに変更されていました。ステイタスがJGCに変わったので、ロゴが入ったJGCサファイアの物理カードも申し込みできるのかと思ったら、翌年3月ぐらいにならないと申込できないようでした。

そして、ついに最終搭乗から約2週間ぐらいの2022年12月の下旬に、めでたくJGCロゴ入りのクレジットカードが届き、JGCステイタスを手にする事が出来ました。ちなみに、カード到着日に前後して、封書でもJGC入会案内書が送られてきましたが、全てネットで切替えが出来たので、紙で申し込む必要はありませんでした。

JGCサファイアの特典

それではJGCの会員にはどんな特典があるか紹介いたします。
ここでは私が取得したJGCサファイアの主なものをご紹介します。

・国内線サクララウンジ利用※
・国際線ワンワールド加盟航空会社のラウンジ利用※
・JALオリジナルバッゲージタグ
・受託手荷物無料の容量優待
・預け荷物の優先受け取り
・会員専用デスク
・キャンセル待ち優先
・前方の席予約
・専用エントランス※
・優先搭乗
※は同行者1名まで利用可能

羽田空港 JGC専用エントランス

この他にもFOPステイタス所有時(JMBクリスタル以上も可)となりますが、東京ディズニーシーのJALラウンジ利用と東京ディズニーランドのファンタジーランドフォレストシアター鑑賞券(いずれも予約必要)などがあります。FOPステータスを所有していないJGCワンワールドサファイアでは東京ディズニー系の特典は利用出来ませんが、いずれにしてもJGCに最初に加入した期間はJMBサファイア以上となりますのでこの特典を受ける事が出来ます。

JGCオリジナルバッゲージタッグとJGCサファイアの物理カード

JGCサファイアのステイタスを取得したのが2022年12月の下旬でしたが、翌2023年1月下旬にJGCのJALオリジナルバッゲージタッグが届きました。タッグはきちんとした箱に入っており、開けてみると、ブラックの革製タッグの中心に金属のプレートがはめ込んであり、そのプレートに私のイニシャルが入ったものが入っていました。厚みもあってしっかりとした作りでとても良いものでした。裏側(どちらが裏かわかりませんが)にはJGCのゴールドのロゴが入っていました。ちなみに2021年まではJALオリジナルダイアリーももらえたそうですが、残念ながら今回からダイアリーの送付はなくなったようです。

そして、2023年3月になると、JALのWebサイトに、JGCサファイアのステータスカードが申し込みできるようになっていたので、早速申し込みました。ブルーのカードの中心にシルバーのJGCのロゴが入っていて、有効期限は2024年3月となっています。おそらく飛行機に乗る時も持って行くことはないと思いますが記念に保管しておきたいと思います。ちなみに各ステイタスカードはそのままJMB会員カードとして搭乗時などに使用できるものとなっているようです。

※この記事の内容は 2022~2023年のものになりますので、今後JALのサービス内容が変わる場合がある事をご了承願います。